
暮らしの中で、家族で小さな畑や田んぼで作物を育て、収穫する喜びを得るための家です。作物を育てることは自然とのふれあいの機会を得ることでもあり、作物に集まる虫たちや、田んぼに棲むメダカやカエルなどの生き物が暮らしの近くに集まります。
現代は市街地に住む子供たちは自然に触れ合う機会が少なく、年中不自由なく食べられる野菜などの作物から得られる季節感なども感じられなくなってしまいました。
「小さな自然を愉しむ家」は南に設けた菜園で作物を育てつつ、縁側や通り土間という伝統的な日本の暮しから生まれた、機能的で情感を誘う空間を現代の住まいに生かしました。通り土間は道路と南側の菜園をつなぎ、作業や雨の日の子供の遊び場として機能します。また、深い庇を持つ縁側は農作業の場として使えるとともに、雨を愉しみながらくつろぐ場ともなります。
また、庇による日光のコントロール、通風などを考慮することはもとより、南の菜園や和室に面する北庭は地中水分の気化熱効果による涼風をもたらし、機械に頼らない快適な住環境を実現すると同時に、太陽光パネルやエネファームなどの環境配慮型住宅設備を備え、地球と人と家計に優しい快適な住環境を目指しています。
建築概要
□構造・規模
木造2階建(在来工法)
□ 想定敷地面積
165.90㎡ (49.88坪)
| 1階 | 63.76㎡ (19.29坪) |
|---|---|
| 2階 | 36.73㎡ (11.11坪) |
| 合計 | 100.49㎡ (30.40坪) |
予定価格 2650万円
伝統的な町屋にあった土間。道路から庭に抜ける土間空間は、南側の菜園と道をつなぐと同時に、大容量の収納機能を持ち、雨天時の遊びや作業空間ともなります。また、風の道にもなり、暮らしの中で多機能に働く空間です。
深い庇を持つ縁側は、雨を愉しむ場所です。雨の多い日本の風土は、軒の深い建築を必然的に発生させ、日本の風景と軒下という独特の空間を創ってきました。その空間は雨から建物や暮らしを守るだけではなく、雨音や雨にむせぶ風景を愉しむ場所でもあります。そんな情感に満ちた空間を現代の住宅に甦らせたいと思います。
同時に深い軒下の空間は、外部での食事や、読書、遊び場や作業スペースとしても機能し、先人たちが創った、機能的で情感的な空間を現代の住宅に取り入れました。
吹抜を持ちオープンな断面計画により、家族がどこにいても気配を感じることができます。
太陽光発電パネルや燃料電池などの省エネ住宅設備や雨水タンクの設置のほか、風の流れを配慮したプランニング、庇による日差しのコントロールなど、エネルギーを消費しない暮しを実現します。
休日には家族で作物を作り、食卓に自分たちで作った野菜が並ぶ生活は、家族の会話が弾む事でしょう。また、子供たちは庭で珍しい虫や鳥たちと接する事ができ、時には自然の情感を味わうことができる暮らし。家は子供たちの成長の場です。家族との会話や自然とのふれあいの中から知識や感性を育む暮しができる家です。