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2011年10月27日号 岐阜新聞 『豊かさが増し デザインも変化』 長尾 英樹

建築においてのデザインって何でしょうか。誰が見ても美しいこと?それとも芸術的?好みは千差万別です。ということは、それを売りにしているわれわれにとって、お客さまが満足のいくデザインをすることが良いデザインということになります。

デザインは今の時代は、○とか口とか形にそれほどこだわっても仕方がない時代になったと思います。シンプルですっきり単純明快なものが受けているように思えます。その中に構造をしっかり考えて構造体そのものをあえて露出させる「表(あらわ)し」にしたものもあります。
デザイン上、構造体を見せながら単純明快にすることは、無駄を省いてスッキリさせることです。構造の安全性を検討しながら、意図したデザインとするためには簡単ではありませんが、その分緊張感があり、美しいデザインとなります。

近ごろのデザインは、中世ヨーロッパなどで繁栄したお城のような装飾がだんだん少なくなってきています。その理由は、豊かな世の中になったからです。装飾とか豪華絢燭(けんらん)は、武力で国を治めた時代には権力の象徴でした。現在は少なからず造形で相手を威圧する必要がなく、力を誇示しなくてもよくなりました。

バブル期に見られた独特の建築様式も今は、なりを潜めています。人が虚勢を張らなくても生きられる、自分がありのままでいられる豊かな時代になったからだと私は考えます。一人一人の心の持ち方が成長して豊かになったという見方をすると、建物は人の心に反映をれ、飾らないすっきりとしたものになって当然だといえます。だとすると、これから先もどんどん豊かになって「個人のありのままの暮らし方」がデザイン上、最も重要なことになるのではないだろうかと私は考えます。

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