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2011年9月1日号 岐阜新聞 『建て主と敷地の個性が住宅に』 武藤 圭太郎

「住宅」って見た目として「家」らしい必要があるのだろうか。ふと、そんな事を考える。僕たち建築家は、時に「奇抜」な家をつくっていると言われる。でも僕たちはもちろん、奇をてらって建築をつくっているつもりなどない。むしろ、「なるべくしてなる」ような必然性がある。


「住宅」はその時々、違う「敷地」に建てられる。また、その時々違う「建て主」のために設計をする。住宅を設計する事は、土地の形や周りの風景、そこに入る光や通り抜げる風、それらを体で感じ、また、建て主の声(要望)に耳を傾け形にしていく作業だ。いわば「敷地」や「要望」を極限まで問いつめて形になった物が「建築」なのだ。だから、できた形には「必然性」があるし、建て主や土地の持っている個性がそれぞれの形を生み出していく。だからいわゆる「普通」の形にはならないのかもしれない。

羽島郡岐南町に建設中の「岐南の家」は要望の面積や光の入り方などを考えると2階の面積を大きくする必要があったため、壁がナナメになっている。細長い大きな敷地全体を庭としてしつらえたい、という施主の要望と斜めの壁でできた建築があいまって、砂利を敷き詰めた敷地全体が風景や庭園のような雰囲気になっている。敷地の周辺には田んぼが広がり、敷地の外から見ると田の向こうに大きな石庭の様に見えるし、建物から見ると庭の向こうにさらに緑の風景が広がって見える。この住宅は工事中だが、敷地全体を使い切り、庭園の中に住むようなとても開放的な住宅になりそうだ。

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