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2011年9月29日号 岐阜新聞 『コンクリートで木造の涼しさ』 村山 恒久

住宅の構造には、木造、軽量鉄骨造り、重量鉄骨造り、鉄筋コンクリート造りなどがあります。それぞれに特徴があり、良し悪しを決めることはできませんが、日本の高温多湿の気候風土に適しているのは間違いなく木造でしょうし、災害に強いのは昨今の地震や台風の被害報道を見聞きしてお分かりのように、重量鉄骨造りと鉄筋コンクリート造りです。

プレハブメーカーの住宅は、阪神淡路大震災のときにその寧秀さを証明しましたが、今回の東日本大震災による津波には無力でした。 建物の本来の機能はもちろんシェルター(災害から生命財産を守る器)の役割であり、今後鉄筋コンクリート造りの住宅は注目を集めることと思います。今回、鉄筋コンクリート造りと木造住宅の長所を併せ持った住宅が完成しました。

鉄筋コンクリート造りは地盤・基礎工事に費用がかかりますが、災害に強いのが特徴です。屋根は、断熱パネルを張り合わせた金属屋根とコンクリートスラブの二層構造になっています。二層構造の除聞を空気が流れ、軒から吸い込んだ空気を棟から逃がす外断熱を採用しています。日本家屋の特徴である深い庇(ひさし)は雨や夏の日差しが外壁に当たることを防ぎます。屋根と壁を断熱すればコン クリートの建物はそれ自体で涼しいのです。間取りは、京の町屋にある坪 庭と天窓を採用し、ベランダ→居間→坪庭、洗面所→天窓、トイレ→天窓と風の流れをつくりました。この夏の猛暑日にも風が吹き抜ける室内は、外気との 温度差をはっきりと感じることができました。冬の暖房は、床暖房+エアコ ンで対応していますが、コンクリート造り自体は機密性が高く、ウレタン断熱+ベアガラスでさらに断熱性を高めています。また、居間の中心にあるま きストーブは、この家で存在感を高めることでしょう。こうして木造の町屋の機能を取り入れたコンクリート造り住宅が、まずは成功しました。

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